2012年6月21日木曜日

有明で自己記録更新!

仕事の都合で九州に出張することになりました。

で、九州に行くとなればやっぱり釣りをする訳です(汗)

何せ、私がリスペクトして止まない、あの有明鱸が生息しています。

かれこれ5年くらいは追いかけています・・・
(とは言っても、行けるのは年に2回くらい)


有明鱸とは?
以下、Wikipediaより抜粋。

有明海産スズキ>
成魚になっても体側に黒点がみられる個体がいること等,形態から日本のスズキL. japonicusと中国のスズキとの中間的な特徴が指摘されていた.
仔稚魚期にも色素胞が少ないなど、日本の他地域のスズキとの違いがみられ,有明海のいくつかの魚類のように大陸遺存の可能性が指摘された.
アイソザイムDNAのAFLP解析の結果、スズキとタイリクスズキとの交雑個体群に由来する独特な集団であることが示された。



出張前日にやることと言えば、ダンボール箱に釣道具を詰め込み、宅急便で宿泊ホテルに送ること。今回の送料は1370円。














ランディングネットは大きめのスーツケースに詰めています。
(※ネットの径が大きめのタイプを必ず用意すること、これ重要!)














飛行機での移動時、ロッドは長尺コンテナケース(200cm/6.5f)に入る物を選ぶことが肝要。
















現地入りしたこの日は、接近中の台風4号グチョルにより梅雨前線が上に押しあげられ、昼間にはザザザッとまとまった雨が降っていました。

日没あたりから小雨にかわり、そして風はなく、台風接近時特有のあのジメジメ~ッとした重い空気に変わっていました。

そして、無風・・・





日中は普通に働いていますから、ポイントがどういう状況になっているのか見てはいません。

しかし、今夜はもしかしたら出るぞ!そんな予感がありました・・・



<ゲームスタート>
仕事を終えたころにはもう夜の9時くらいになっていたでしょうか・・・

断続的に降る小雨の中、スタート。

昼間の雨により、ええ感じに濁流化してるじゃありませんか!

まずは、いつものように表層から探って行く。

明かりのほとんど差さない暗いポイントでしたが、ルアーの引き抵抗から本流の脇に強い反転流が発生しているラインをハッキリと感じ取ることが出来ました。

そのラインに対して上流側から下流川に移動しながら垂直的に横切らせ、ルアーをローテーション、コースを変えたりを繰り返すこと約30分…

表層を広範囲に探ってみましたが、全く無反応・・・

そこで、今度はレンジをもう少し下げて探ることに。

ボイルはありませんでしたが、この流れが複雑に変化したヨレヨレゾーンにシーバスは絶対にいる!という予感がありました。

選んだルアーは、ちょい深いレンジの流れの変化でバランスを崩してくれる「K-TEN K2F142

ルアーが流れを噛んで抵抗が強くなったところでリーリングを止めて下流側へ流し、反転流に入って「ブワッ」と煽られる箇所を通す。
そこから抜けたタイミングに「チョチョン」と軽~くトゥイッチを入れ、もう一発食わせアクション。
それで反応がなければ、スローリトリーブでさり気なく回収。

その作業を、上流側から下流側に歩きながら繰り返すこと4〜5投目くらいでしょうか・・・

「ゴスッ!」

釣り開始から約1時間後くらいに、待望のファーストヒット!

その時は、正直60cmくらいかな?と思いました。

しかし、ゴボゴボッと鈍いエラ洗いが遠くに見えた!

よっしゃ、75cmは超えてるな!」

手前まで慎重に寄せにかかると、今度はトルクのある重い突進!

「やっぱこっちの鱸は引きが強いわー!」

駄目押しの追い合わせを入れ、エラ洗いされないようにジワジワと慎重に寄せる。

もう主導権はこちら側にある。

「よっし、もうそろそろいけるかな~?」

ランディングに持ち込もうと手前まで寄せ、ヘッドランプで魚を照らすと、ビビったシーバスはロッドをバットから絞り込み突っ込む、さらにテンションが強く掛かった状態で浮き上がりゴボゴボゴボッと鈍いエラ洗い。

「こ、こ、こ、これは超まずい!」

膝ドラグ(笑)とベイトリールのクラッチを駆使しながら必死でいなし、少しだけ沖へ走らせ、再び距離をとる。

その時、ヘッドランプに照らされたシーバスのデカイ顔を見て、全身に緊張が走った。

「うはっ、めっちゃデカイやん(汗)」

シーバスが弱るまで十分に時間を取り、手前に寄せにかかると、もはやテールフックのみで顎に引っかかっていることが発覚。

「ヤバイヤバイ、アウアウアウアウワワワワワワ(半泣)」

動機、息切れ、過呼吸、そしてちびってしまいそうな感覚を覚えながら、震える手でどうにかランディングに成功!

























獲りましたー!































(この写真は、近くで釣りをしていた見知らぬ方による撮影です。ありがとうございました。)







サイズを図ると、90cmジャストくらい!
















過去の自分の最高記録が2010年に88cmだったので、これで記録更新!

ギリッギリで、私の悲願であった“キューマルの世界”に入ることができました。
(アウェイですんません…)

時期が時期だけに、まだ脂肪が腹に乗りきっていませんが、背中の筋肉はさすが有明鱸!




そして、テールフックはこのように引き伸ばされており、危ねえ危ねえ(汗)














釣ったシーバスを水に戻し蘇生させていると、そのバケツのようなそのお口がオエッオエ〜と吐き出したのは・・・























たぶん食ったばかりの・・・





















結局この日は、この一本とのやり取りで持てる全ての集中力を使い果たしてしまいましたので、ストップフィッシングとなりました(笑)
もし、釣れた時期がハイシーズンで、落ち鮎やらコノシロやらを食いまくりのスーパーメタボマッチョ化した個体だったら…獲れてなかった可能性大!
  

いや~、とりあえず、よかったよかった(苦笑)

その後、時間を掛けてじっくり蘇生しましたので、何とか自力で泳ぎ帰って行きました。








最後に、有明鱸に関してもう少し・・・

過去に釣った有明鱸。


2010年/83cm




2011年/85cm










苦心の末、ここ2年くらいでようやくこの有明鱸のランカークラスを、まあ、ある程度は狙って獲れるようになって来ています。

とは言っても、ここまで来るのにボウズの山を築き上げてきましたし、80cm台を釣っても地元の人はあまり褒めてはくれません・・・

釣れなかったから、それはそれで潔く諦め、ポイント開拓で次に繋ぐ。

それ以前はと言うと・・・

恥ずかしい話なんですが、運良くデカイのがヒットしても、獲れません、切られました。

腕も道具も、全くお話になっていなかった・・・

いわゆる通常の港湾シーバスで使っているようなタックルでは厳しい局面が多いと思います、ここは・・・

ダンプカーのような猛突進を食い止める事が出来ず、ギュギュギュンギュ~ッとドラグを鳴らしながら走られるだけ走られ潜られプチッ、手前のテトラに巻かれてプチッ・・・

ラインブレイクの経験が2度あります(汗)

また、干満差の大きいこの有明水系では、下げ潮が想像を絶するくらいに走ります

激流対応ボディーへと進化した彼らが、さらにその早い流れに乗って猛突進!

加えてボトムにはテトラ、謎の杭、牡蠣殻などがそこかしこに点在していますので、相手に主導権を取られ走られたり潜られたりされる前に、まずはゴリ巻きで、こちら側が主導権を取れる手前の方まで引き寄せるパワフルなタックルが求められるように思います。

食い止めなければならない場面では、しっかりと食い止められる強靭なバットパワーを備えたロッドが必要・・・

かと言って、青物タックルを使えば、シーバス用のルアーが扱いづらかったり、流れを読む感度が下がってしまったり・・・
(地元のアングラーでは、使っている人もいるらしい・・・)

とにかく、有明鱸はとんでもなく引く・・・

現在の私がベイトタックルに拘っている理由の一つとして、この有明鱸とのガチンコパワーファイトにおいて、絶対に主導権を握らせないための選択でもあります・・・

また、上記のようなボトムのハードストラクチャー対策として、太いラインを使えることもベイトタックルの大きなメリットだと考えています。

それと、クラッチのオン/オフを駆使したやりとり(レバーブレーキのような)が出来るのもこのベイトタックルの大きなメリットで、サミングをかけながら親指の力加減によるドラグ操作が臨機応変に行えるからです。

ご参考までに今回のタックル:
ベイトロッド・・・Gクラフト/ミッドストリーム MSB-962-PE(激流川鱸専用設計)
ベイトリール・・・シマノ/カルカッタコンクエスト200J-HG
メインライン・・・PE3号
リーダー・・・フロロ30lb
※それ以外にも、スナップやスプリットリングは高強度の物に交換しておく必要があると思います。

スピニングタックルに関して、ドラグのセッティングは魚の重さや距離に応じてその場その場で迅速に対応する、これに尽きると思います。

遠くかかった場合は強めに、近くでやりとりをする場合は弱めに、走られ過ぎたらスプールを人差し指で押さえながらドラグを締め直すなど。

ピックアップ寸前の超至近距離で「バコッ!」と丸呑みされる場合も多々あります。

何でもかんでもそのままのドラグセッティングで対応、というのは非常にリスクの高いことです。




<後日談>
次の日、ある創作料理屋の大将に、私が釣った有明鱸の写真を見せると・・・
「この間、近所の小川で中学生の子が、95cmを釣ってたよ。」
だってさ(泣)

10 件のコメント:

  1. トヨウさんおめでとうございます!

    トヨウさんの有明鱸の話を読むたびにすごいなぁと思うばかりです。

    次はメーターオーバーですね!楽しみにしています(´∀`)

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    1. ありがとうございます!

      って、メーターオーバーに一番近いのはそぎやまさんですよ(笑)

      僕も頑張ります!

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  2. 90UP達成おめでとーです(^▽^)ノ
    ランディングシーンは読んでてこっちまでドキドキして楽しめました♪
    自分もドキドキするような釣り体験ができるようにしたいです(>▽<)
    では今後更なる記録更新を期待してます☆

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    1. ありがとうございます!

      ランディングが一番緊張しました。

      まさに間一髪!

      獲れてなかったら、しばらくは鬱になってたと思います(汗)

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  3. 記録更新 おめでとうございます!!
    そのサイズになるとやっぱり頭デカイっすね!!
    ブツ持ち写真がなんか控え目やな~って思ってたんですがw そういうことだったんですね^^
    デカイの釣りたいっす!!

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    1. ありがとうございます!

      頭も口のサイズもめっちゃくちゃデカかったです(汗)

      実際に近くで見ると、大迫力だったです。

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  4. 記録更新おめでとうございます\(^o^)/

    内容は深いですね。

    こっちで使ってるタックルじゃ話になりませんよね。

    僕も90UP目指してみます。


    あ、あんな極太は無理です(´・_・`)

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    1. ありがとうございます!

      不思議なもので、釣る気がなくてもデカイのが釣れてしまったりしますからね~。

      で、これを狙って釣ろうと思うと全然釣れなくなったのですよ、これが(汗)

      次はホームである大阪で90cmオーバーを釣ってみたいですね。

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  5. トヨウさん、おめでとうございます\(^o^)/
    念願かなったりですね! キューマルハンターの称号ゲット!

    有明ハイブリッド、一度戦ってみたいです。
    ロマンですね!

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    1. ありがとうございます!

      ひろさんの足下にはまだまだ及びませんが(汗)

      しかし、キューマル童貞はコンプレックスだったので、今はちょっと垢抜けした僕を見てやってください(笑)

      有明ハイブリッドロマン、たまらん世界です!

      釣れなくて、ムツゴロウが傷を癒してくれます(笑)

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