2014年10月7日火曜日

近いようで遠かった初めてのビワコオオナマズ

「ビワコオオナマズを釣りたい!」

突然そう思い立ち、狙い始めたのが確か2011年8月くらい・・・

そこからボウズの山を積み上げること、たぶん20回くらい(もう数えるのを途中からやめた・・・)























釣りの舞台は、今まで経験したことのない自然が作り出した特異なロケーション、山岳部を流れる関西屈指の急流河川です。

普通にナマズを釣ったことがある人なら、この川を見たら最初にこう思うでしょう。

「こんなとこにナマズおるんか?住めるんか?」と・・・(笑)

夜中にあんなとこに落っこちたら、まず助からないであろうことは、一つ付け加えておきます・・・

また、心霊現象でも有名らしくてですね・・・

川を覆う山々や岩盤が不気味な暗闇を生み出しています。

単独釣行が大半でしたので、日によっては思考が“怖い怖いモード”に支配され、釣りに集中することができず、早々に退散したこともありました。(ビビりなんで・・・)

鹿とか猪が夜中にガサゴソやってたり、「ギョエーッ!」と雄叫びを上げたりすることも、集中力を阻害する要因ではあります(笑)

それと、なんか、行くたびに“水位が激変”してたりするんですね(爆)

とにかく特異としかいいようのないこのロケーションで、ボウズを積み重ねながらパズルのピースを拾い集めて行くしかなかったです。

先日そんな特異な場所で、やっとこさ、釣り上げることができました。

















この魚のファイトですが、どちらかと言うと鯉の擦れ掛かりっぽい感じ、とでも言いましょうか・・・

エラ洗いとかテールウォークでもって水面をバシャバシャと暴れる感じではなく、スピードもない感じでした。

ただ、めっちゃ重くて、なかなか浮いて来ない!

そこで無理矢理浮かせようとしたら、底に向かって「ズガガガガッ~」と制御不能な強烈な突っ込みを食らってしまいました。

これにはかなり焦りましたよ。

水中のそこかしこに、岩礁のブレイクやシモリが存在する急流河川です。

ラインが水中の岩に触れているのが伝わってきました(冷汗)

できるだけ高い位置へと移動し、ベイトリールのクラッチを切って“いなす”ことでどうにか落ち着いてはくれましたが、あまり刺激しない方が得策かもしれませんね。

そして、ジワジワと体力を奪ってゆっくりと浮かせてくると、ヘッドランプに照らされて姿を現したのは紛れもなく青みがかったビワコオオナマズ!

暴れさせないように慎重に浅瀬に向かってスイーッと誘導し、一発でズリ上げランディング成功!

足掛け3年の苦労が報われた瞬間です(涙)























緊張を強いられるやり取りは、とてもとても長い時間に感じられました・・・



サイズの方は90cm弱。













初めてのビワコオオナマズでこのサイズ。

大満足です、言うことなし。













「マンガ日本昔ばなし」に出てきそうな、神秘性の中にも愛嬌を秘めた不思議なルックス。

特に、うちわのような扁平した頭が独特ですねー。















今回はワークマンなんかで売っているゴムコーティングの施された手袋を着用し、顎をつかんでいました。

この上下顎に生えた歯は、やすり状というよりも“剣山状”です。

ツンツンに尖っており、ゴムコーティングの上からでもチクチクするくらい。













これを素手で掴めば、確実に怪我しますよ!



今回の反省点は、やりとりの最中にフッキングポイントが移動したためか?右目の下の表皮を一部めくれさせる傷を負わせてしまったことですね。















眼球へのダメージがなかっことは、不幸中の幸いかもしれません。

ダメージを最小限にするために、次回からはトレブルフックではなく、ジギングい用いるアシストフックのようなシングルフックにした方が良いのかな?と考えていたりも・・・

口からエラに水を十分送ってからリリースすると、ユラユラと川底へと消えて行きました。

何とか無事でいてほしいものです。

















ここで、この釣りをするにあたっての自分の心構えに関して少し。

何せ、相手は絶滅が危惧されている希少種です(滋賀県レッドデータブック・準絶滅危惧種)。

加えて、日本の淡水魚としては最大クラスの魚であり、130cm級やら20kg級やらの超弩級が不意にヒットする可能性だって、あるかもしれませんよ。

とにかく、最初の一本は自分が思い描く理想的な形でキャッチしたいと思い描いており、下記のような“縛り”を自分に課していました。

その1:  狙って釣る。

その2:  オーバー目のタックルで確実にキャッチする。

その3:  ランディングは水中ランディングを目指す。ランディングネットが必要そうな足場の高い場所は避ける。乾いた地面に置かない。

その4:  脊椎や内臓へのダメージを避けるため、フィッシュグリップを使った片手でのぶら下げ持ちをしない。

その5:  身体に触れる際は、火傷を負わせないよう素手ではなくグローブを着用する。

その6:  貫通ワイヤー構造の高強度なルアーを使う。

その7:  ルアーのフックはかえしを潰してバーブレスにしておく。

その8: ルアーの接続にはスナップではなく溶接リング&スプリットリングを用いる。

確実にキャッチすることを最優先に、ある程度パワーのあるタックルで望むべきだと思います。



最後までお読みいただいた皆さんの、この特異なロケーションに生息する神秘的な怪魚「ビワコオオナマズ」との出会いが素晴らしいものになることを願って。
 



















<タックルデータ>
ルアー: K-TEN ブルーオーシャンBKF140
ロッド: ウィップラッシュファクトリー ローディーラー R801RX グラインダー
リール: DAIWA Z2020H
メインライン: シルバースレッドPE 50lb/4号
リーダー: VARIVASショックリーダー フロロカーボン 50lb/14号


4 件のコメント:

  1. おめでとうございます!!!

    狙って獲る精神力、そして魚への配慮。何をとってもアングラーとしての鏡であり、感服するばかりです。

    とにかく、おめでとうございます!

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    1. >ひろさん
      ありがとうございます。

      アングラーの鏡だなんて、そんな・・・(汗)

      一つには、現場で出会った方に、手のひらの形に火傷を負って死んでいるビワコオオナマズの話や、他にも色々指摘されたりしたこともあって、これは軽い気持ちで挑んではいけない魚なんだなと思ったこともあります。

      とにかく濃いアングラーが来てますよ(笑)

      ひろさんも、是非チャレンジしてください!

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  2. はじめまして。初コメさせていただきます。私自身もベイトロッドにスピードマスターにてシーバスを狙っていて、共感とともにいろいろと勉強させていただいております。スピードマスターから進化しておらずおはずかしいですが…
    さてこの度のビワコオオナマズにチャレンジしたいと思っていたところ、こちらの記事にて心構えなど勉強させていただきました。
    これからも楽しみにしております。よろしくお願いします。

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    1. >竹さん
      コメントありがとうございます。

      飾りのないデザイン、シンプルな構造、剛性、コストパフォーマンス、総合的にみてスピードマスターは今でも良いリールだと思います。

      あのコンセプトをもっと磨いてくれたら良いのにな~と思います・・・

      ビワコオオナマズはさらなる大物を目指して頑張って行きたいと思います!

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